ドキュメンタリー・西山正啓 監督作品

消えた鎮守の森

〜米軍再編・岩国の選択〜 シリーズ第二章






 住民投票から一年、新市庁舎建設への補助金カット、愛宕山ニュータウン開発地域の米軍住宅転用問題など、山口県岩国市に次々と押し寄せる無理難題。見えてきた米軍再編のからくり。

 2006年2月8日横須賀市議会が「原子力空母配備の是非を問う住民投票例案」を31対10で否決した。 その原子力空母艦載機59機の受け入れ是非について、同年3月住民投票を実施したのが山口県岩国市。 戦後60年国の政策を従順に受け入れ米軍基地と共存してきたはずの人々が住民投票で“もうこれ以上の基地強化はイヤだ!”と堰を切ったように意思表示をした。 全投票者(投票率58%)の87%の「反対」票が投じられたのだ。
それから1年。住民投票時に全国から殺到したマスコミの喧騒がウソのような静けさの岩国で今何が起きているのか。



 基地騒音から逃れ、広葉樹と竹林に覆われたなだらかな愛宕山丘陵に”終のマイホーム”を求めた人々がいる。 なだらかな丘陵の頂きには由緒ある愛宕山神社が祀られ鎮守の森が里山に暮らす人々の心を癒していた。 毎年春になると満開の桜の下で繰り広げられる奉納子ども相撲大会の歓声が里山に響き渡っていた。 その鎮守の森が開発によって削られることになった。



―悲願の沖合移設、そのための愛宕山開発

 この10年間、岩国市民はこう思い続けてきた。 米軍兵隊航空基地滑走路を沖合いに出すことで戦闘機騒音は軽減され、沖合移設工事によって街の経済は潤う。 その埋立土砂を取るために愛宕山を削るのは仕方がない、と。 完成の暁には“東京の田園調布”を凌ぐニュータウンができるのだから、とも・・・



 始まりは米海兵隊岩国航空基地滑走路の沖合移設。 市民にとって「悲願の沖合移設」「そのための愛宕山開発」だった、ハズである。 神社を移し、鎮守の森を削ってまでして協力した埋立用土砂搬出のためのニュータウン開発だった、ハズなのだ。 それなのに、なぜ急に米軍住宅建設という計画が出てくるのか理由がわからない。

 自宅の庭先に造成地のフェンスが広がる家の主婦が「あ・た・ご・や・ま」パズルを解くため積極的に自治会活動を始めた。

 住民投票を経験したからこそ気づいたことがある。見えてきたことがある。 この国の政府は約束を平気で破る。非協力の自治体を「米軍再編推進特別措置法」という法律をつくってまでしてあからさまにイジメる。

 住民説明会で自治会役員の主婦は問う。 本来は学級担任の山口センセイが止めなければいけないのに、どうしてニチベイ教頭と校長が一緒になって岩国クン一人をイジメるのですか? 普段はおだやかな自治会長さんが申入れの席で言う。 この国の首相は美しい国づくりというけど、有刺鉄線が張られ、米軍住宅が建てられた地域を美しいと思いますか?

 なりふり構わず強引に進められる米軍再編。それでも岩国クンはへこたれない! 国によるあからさまな自治体イジメの実態を記録した全国民必見のドキュメンタリー映画。



岩国市新庁舎建設の募金のお願い

 今年度完成予定の岩国市庁舎に対する補助金約35億円が突然カットされました。 補助金は米軍再編以前に決定していたにもかかわらず、国は約束を反古にしました。米軍空母艦載機部隊移駐に反対したためです。

 岩国市民はこの不当なやり方に異議を唱えるとともに、将来への悔いを残さないために新庁舎建設のため募金を呼び掛けています。

■郵便振替 口座番号   01310-2-96617

加入者名   岩国市新市庁舎募金の会“風”

■代表    岡田 久男  Tel/Fax:0827-21-9818





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