平成19年12月15日 500円の会〜One Coin Fund〜

第3回定例会

北海道矢臼別・沖縄についての勉強会






500円の会、第3回目の定例会では、スタッフのかいちゃんによる北海道矢臼別についての勉強会と、 まどかによる沖縄についての勉強会と、11月分の賛同金の報告が行われました。



矢臼別について、以下の文章はかいちゃんの作った資料より引用しました。

矢臼別スタディツアーの主旨・・・
立ち退きを拒否して、日本一大きい自衛隊演習場のど真ん中に40年以上も住み続けている川瀬氾ニさん(現在80歳)と会って 平和について考える。

矢臼別の特徴・・・
釧路台地に位置し、冬は厳寒で、夏は冷涼である。土壌はやせている。主な産業は酪農、林業。 戦後多くの入植者による開拓が進められた。 演習場内の風蓮川水系で絶滅危惧種イトウの生息が確認された。

矢臼別の地図

矢臼別演習場の概要・・・
北海道東部、釧路、根室の境界に位置し、東西約30km、南北約10km、面積約17,000ha。日本最大の演習場。 155ミリ榴弾砲、多連装ロケットなど40種類に及ぶ兵器、爆薬を使っての実弾射撃訓練や爆破演習が行われ、戦車、装甲車、 トラックなどを使っての機動演習、機関銃など小火器を使った戦闘演習が、道内・全国から入れ替わりにやってくる部隊によって行われ、 また、本州方面から船舶、航空機などを使って、火砲、車両、兵員などを移動させる師団規模の大機動演習もあって、 年間300日以上にわたって演習が行われている。また、日米の合同演習、沖縄駐留海兵隊の移転訓練も行われている。



川瀬さんと矢臼別演習場の歴史(平和新聞2007年9月5日1842号より)

1952年 25歳のときに「北海道拓殖実習生募集」の広告を見て、岐阜県から単身で北海道に渡る。

1962年 自衛隊演習場の設置が決まる。入植者の多くが防衛庁の買収に応じて開拓地を離れる。
      川瀬さんは離農していった農家の牧草地に馬を放ち、馬を売って生計を立てていた。
      (牧草地の草がなくなると、馬は自衛隊演習場に牧柵を破って入り自然繁殖していった。
      当時は、演習場内への出入りは自由で、馬を捕まえるときに駐屯地に連絡すると、
      ヘリコプターを飛ばして馬がどこにいるか教えてくれたとのこと。)
1966年 川瀬さん、日本平和大会に参加。平和運動を始める。

1984年 日米合同演習が開始される。演習場の出入り口に鉄のゲートが設置され自由に出入りできなくなる。

1987年 自衛隊が、川瀬さん土地を「馬の牧柵」という名目で杭と鉄線で囲い、馬の放牧のために、
      演習場内に設置したバラ線を撤去した。また、川瀬さんの土地に行く道路に鎖をかけて通行を
      妨害した。(「防衛庁用地に無断で馬を放っているから違法である」というのが自衛隊の主張。)
      3ヶ月にわたって抵抗した結果、自衛隊は沈黙した。(「20年以上使っているのだから、民法上、
      占有地または地上権が成立している可能性がある。」「憲法違反の自衛隊に、違法呼ばわり
      するいわれはない。」というのが川瀬さんの主張。)

1997年 在沖縄米軍海兵隊の移転訓練が始まる。(沖縄の負担軽減が目的)
      ゲートには常に鍵がかけられ、監視カメラが設置される。

2003年 情報保全隊が設置される。「立ち入った者は、拘留か科料に処される」と警告する看板が立てられる。

2007年 9月18〜27日 米海兵隊実弾射撃訓練が行われる。(2年ぶり9回目。参加人員220名)



川瀬さんのコメント(平和新聞2007年9月5日1842号より)
「国民を上から取り締まるというのは軍隊の思想なんだわ。自衛隊はどんどん軍隊みたくなっているよね。 これで軍隊を認める憲法ができてしまえば、ここの土地は間違いなく無くなると思う。軍隊は情報が筒抜けだと負けちゃうから、軍事機密保護法 みたいなのを必ずつくってくる。そうなったら演習場のど真ん中に民有地があるまんていうのは絶対駄目なんだわ。」



川瀬牧場を訪れて・・・
今回のスタディツアーに参加するまで、川瀬さんについても矢臼別演習場についてもほとんど知りませんでした。 ニュースや新聞で米軍海兵隊の訓練について報道していた内容くらいでした。いったい自衛隊の演習場のど真ん中に立ち退きを拒否して 住み続けている川瀬さんとはどんな人なのかという興味があって参加しました。
川瀬牧場は自衛隊の演習場の北側にあり、牧場までの道路は舗装されてなく、有刺鉄線で囲われていました。途中に演習場の出入口があり、 演習を知らせる電光掲示板が設置してありました。なお、出入口には小屋があり自衛隊員がいました。自衛隊の演習場に入るということで緊張 していましたが、その日は訓練日ではありませんでした。川瀬さんは、頑固で屈強な男性を想像していましたが、実際に会ってみると背が小さくて気さくな、 どこにでもいそうなおじいちゃんという印象でした。
川瀬さんを囲んでいろいろ話を聞きましたが、なぜ自衛隊が来た時に離農しなかったのか?という問いに他に行くところがなかったという話が 印象的でした。個人的な理由があり牧場に居続けることしかできなかった川瀬さんにとって、自衛隊との戦いは生きるために行わなければならないことだったと 思います。思想ではなくただ日常を生きるということの連続が川瀬さんの強さになっていると思いました。「向こう(自衛隊)も、これ以上押したら ヤバイなというのはちゃんと分かってるんだわ。逆にこっちがひっこんだら、なんぼでも押してくるんだわ。まさに、憲法12条にある『国民の不断の努力』の 勝利だったと思うよ。」と川瀬さんは言っています。
私たちは日常の生活で意識していませんが、テロ対策や外国からの安全のためといったもっともらしい名目で、知らない間に私たちの平和に 生きる権利や自由が侵されていっているのかもしれません。それは、私たちのすぐそばで行われていることでもあると思いました。
ちなみに2日目には実弾射撃訓練を体験することができました。

川瀬さんの家に向かう途中
川瀬さんの家に向かう途中

憲法違反を訴えかける
憲法違反を訴えかける

川瀬さん
川瀬さん

川瀬さんとツアーの参加者たち
川瀬さんとツアーの参加者たち

川瀬さんと夕食を囲む
川瀬さんと夕食を囲む


入会案内のパンフレット
矢臼別「温泉を掘ろう会」について・・・
川瀬牧場では、毎年8月に「平和盆踊り」、12月には「もちつき・忘年会」が開催され、全国各地からの参加者で賑わいます。 また、その他さまざまな集会や行事が行われ、日本全国、世界に平和に生きる尊さや権利を訴え続けています。また、米軍や自衛隊の演習に対する 監視、抗議行動の拠点として重要な役割を果たしています。
この川瀬牧場を守り未来へとつないでいくためには憲法9条の存続が必要となります。また、この土地を守るためには人が住み続けなければなりません。 川瀬牧場の立地条件では、酪農と畑作だけで生計を立てることは難しい。そこで、温泉を掘ろうという計画が立ち上がりました。9条とほかほかの温泉、 無防備の丸裸、平和そのものの温泉が演習場のど真ん中にどんと存在する。
現在、一億円を目標に、入会者を募っています。入会は一口千円で口数に制限はありません。入会を希望される方は下記まで。

   矢臼別「温泉を掘ろう会」
   〒088-2577  北海道野付郡別海町矢臼別40-1    
      郵便振替  02760-6-96990
   TEL・FAX  0153-77-3516





沖縄については、まどかに書いてもらいました。

沖縄の現状・・・
現在、日本の中の米軍基地は0.6%。その基地の70%が沖縄にあります。
その結果、沖縄全体の約2割がアメリカ軍基地になっています。

〜普天間基地〜
・この基地は、街や住宅の中に囲まれて広がっていて、すぐそばには家や学校がある。戦闘機、ヘリの騒音で学校の授業が中断される ことがあり、沖縄全体で、アメリカ軍の騒音による学校の授業の中断は年間100時間にも及ぶ。
・普天間基地の中にはお墓がある。以前はお墓参りに行けたが、現在は基地の中に入ることが許可されず、お墓参りに行けない。
・普天間基地のそばには住民の手によって作られた「流弾に注意」と書かれた看板がある。飛行機や車から落ちてくることもあるからだ。
・普天間基地を閉鎖し、辺野古に基地を作る計画。

住宅地のど真ん中の普天間基地
住宅地のど真ん中の普天間基地

基地内に取り残された墓
基地内に取り残された墓

「流弾に注意!」と書かれた看板
「流弾に注意!」と書かれた看板



〜嘉手納基地〜
・嘉手納市は80%が基地
・嘉手納基地のそばにある〈道の駅かでな〉に行った。そこには、記念館のような展字施設があった。過去に戦闘機が畑に墜落した写真や戦闘機の 爆音体験が視聴できる機械もあった。
・〈道の駅かでな〉の屋上から基地のようすを見ることができた。滑走路横には大きな戦闘機格納庫がいくつか見えた。 この格納庫は、一つ4億円で全て日本の税金(思いやり予算)から出している。

嘉手納市の80%以上が基地
嘉手納市の80%以上が基地

格納庫
格納庫

エアフォース
エアフォース



〜伊江島〜
・伊江島は沖縄本島の北東位置する小さな島。戦後、この島にも基地がたてられた。
・伊江島では、住民による反対運動が起こり、その基地は約半減した。
・反対運動の代表をしていた阿波根さんの意志を語り継いで、平和運動をしている謝花悦子さんのお話を聞いた。 「米軍の訓練は日本の国がさせていることであり、国民の責任である。日本は戦争で学んだことを社会に奉仕すべきである。 また、固定された社会制度を自らの手で動かしていく必要性がある。」と語っていた。
・謝花さんのいる資料館の壁には「すべて剣を取るものは、剣にて滅ぶ。基地を持つ国は基地で滅び、核を持つ国は核で滅ぶ。」と 書かれていたのがとても印象的だった。

伊江島団結道場
伊江島団結道場

謝花悦子さん
謝花悦子さん



〜辺野古〜
・普天間基地が辺野古に移設されるという計画が11年前に立てられた。辺野古にはもともとアメリカ軍のキャンプ地があり、そこで訓練を行っている。 普天間基地が古くなったという理由と、辺野古のほうが物資の輸送や海外にも行きやすい(飛びやすい)という理由があるからだ。
・もしそこに基地ができればきれいな海、ジュゴンが失われてしまう。
・その計画が立てられてから辺野古の住民たちは反対運動を始めた。毎日、非暴力での座り込みによる反対運動を続け、その結果未だに 辺野古には基地は立てられていない。しかし、辺野古の海にフェンスが立てられたこともあったが、カヌーで海に乗り出し、フェンスの撤去に成功。 現在も雨の日も風の日も座り込みをして反対運動を続けている。

辺野古の闘い
辺野古の闘い

辺野古海上ヘリポート建設反対
辺野古海上ヘリポート建設反対

ジュゴンの住む海
ジュゴンの住む海

ジュゴン
ジュゴン



〜思いやり予算〜
・思いやり予算とは、日本がアメリカ軍に対して何かあったときに守ってもらうという保障の意味を込めて税金からお金をだしていることをいう。
・この予算で、アメリカ軍のためにマンションや、ゴルフ場、電気代、高速道路の料金まで払っている。
・この予算は去年、年間で7000億円。この中には在沖縄海兵隊員8000人のグアム移転に伴う住宅建設などの経費も含まれている。

思いやり予算の推移
思いやり予算の推移



沖縄で学んだこと・・・
アメリカ軍によって放置されている実弾、有害物質があり、日本は手をつけられない状態で放置されているものもある。日本に持込が許可されていない ものがなぜ見てみぬ振りをされて持ち込まれているのか。また、読谷村には過去にアメリカ軍が使用した電気通信施設が撤去されずに残っている。 かなり大きいもので、『象の檻』と呼ばれている。(2007年にやっと取り壊された)
私たちが払っている日本の税金で基地が作られているということは、税金がイラクの子どもたちを殺すために使われている。
ここ日本で米軍が訓練している(イラクへ飛ぶ・・・人殺しの練習)
政治や社会が決めたことに従わなければいけない、流されてしまうところがあると思う。でも一人ひとりの手によって変えることは可能!
一つは「選挙」。まだ選挙権はないが、選挙権を得たときに自分の一票を平和のために使いたいと思った。
今までは知っていただけだったが、内面から沖縄を勉強することによって本当の意味で沖縄をわかることができた。 それを心に留め、一人でも多くの人に伝えていきたい。

象の檻
象の檻






11月分の賛同金

11500円

みなさんご協力ありがとうございました。









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